全体を学ぶ学校2026 歴史から学ぶ 石積み その用と美 レポート 

念願の石積みをテーマにお送りした全体を学ぶ学校。
講師もスタッフも参加者もみんなが寝食を共にするこの学校の良さが出て、みんなが積極的に石積み実習に関わり、でも出過ぎず、周りの人のことも考えて動いた素晴らしい時間となりました。
基礎の大切さ、今井さんの技術の高さは、時間が経つにつれてどんどんみんなの中で確信となっていったように思います。

石積み、森の学び、田畑の学び、食事作り、掃除など色々なことを通して、それぞれの中に大事な気づきが生まれた春の全体を学ぶ学校。その全貌をこのレポートでお伝えするのはなかなか難しいですが、写真と参加者の感想からこの学校の様子を感じていただけたらうれしいです。

「全体を学ぶ学校」って?

自分たちが今まで学んできた知識をつなぎ合わせる時間と空間です。
頭だけでなく、手も、足も、心も、自分の全体を使って、すべての いのち が、すべての事がらが、お互いに関係し合い、存在していることを腑に落としていきます。
つながりを知ることで、今まで学んできたいろいろがより生きたものとして自分の中で育ち、私たちの世界を広げます。それは自分の根を育て、いのちの基を作る作業でもあります。
楽しくワクワクしながら自分を育てる場所。自分の生き方を見つける場所。それが 「全体を学ぶ学校」 です。

「全体を学ぶ学校」の詳細はこちらをご覧ください。

森の学び・ケアテイカーになる

今日の森と出会うのは初めて。今日の森のことは何も知らないという謙虚な心持ちで森に入ろう。
「自分は知っている」という心が逃すものの多いこと…。

石積み 座学

石積みの歴史から学びたいと思っていたので、とても楽しみにしていた座学です。
世界は繋がっている…。

石積み 実習

いよいよ実習!
ここで基本の大切さに気付かされることとなる。
丁寧な仕事がなぜ大事なのか、出来上がってからわかることも多かった。

畑の学び

自分たちが前の日にリアルに食べたものを植える作業。
自然農の畑で大事にしていることは何度聞いても納得の循環、バランス、塩梅…

楽しい食事

みんなで作って みんなで食べる。
美味しいねと食事のできる幸せ。
主役は畑で採れた野菜たち、田んぼで穫れたお米、寧楽共働学舎の豚肉、Tamaigoさんの卵、師匠と一緒に捌いた鹿肉…。
命が喜ぶ食事をありがとう。

参加者の感想

この3日間はすごく貴重な時間になりました。石積みの学びだけではない内容の濃い3日間で、とてもありがたかった。みんなとの共同生活、共同作業、これだけで普段の生活では感じられないものがたくさんありました。
色々なことに興味を持つこと、考えること、やってみること。そういうことはなぜかだんだん減っていく感じだったので、この当たり前のことがとても大切だと改めて感じました。
もうひとつ、自然の大きさを改めて感じました。猿が出る話がありましたが、なぜ猿が餌を求めるのか?と言うことも考えて、深いと感じました。
まずは小さなことから始めていきたい。
石積みは素晴らしいです。日本の風景。なくしてはいけないものだと思います。

今まで何度か石積みの講習に参加したことがありましたが、今回新しくわかったことがあり良かったです。
自然な感じの農業とか、石積みは実際にこれからもやっていきたいと思っています。

石積みについてー今ある石を使って生活に用いる構造物を作り上げる状況やその成果は、体感してみて確かに民藝につながる部分そのものだと感じられました。今回、協力しあって、短時間で形になるまで見ることができて、生活に根ざした美術という感覚が深まりました。

ワイドな視点についてー日常では忘れがちな、都市生活では意識しなくなっていた物の見方を久しぶりに思い出す良い機会となりました。単に「遠くを見る」ではなく、「全体を見る」ということは、普段からぜひ意識したいと強く感じました。

石積みを実際に体験し、想像以上に奥深く楽しく、良い経験でした。石ひとつひとつの意味や役割、バランスの大切さを学ぶことができました。
また畑の体験や共同生活など、普段できない経験もとても貴重な時間となりました。

「全体を学ぶ」というタイトル通り、3日間の色々な場面で小さな学びがありました。
目の前の小さなところを見て考えるのではなく、遠くの大きな流れを見て行動していくこと。
一方で目の前の小さなことにも意味や喜びを感じること。
あらためて大切にしなければと思いました。

3日間で、森・畑・石積みと色々な内容を体験できて楽しかった。
石積みは外から見ると2次元の表面しか見えなくて、中がどうなっているのかいつも気になっていたので、今回はその仕組みがわかってとても面白かった。3次元パズルのようで、ひとつひとつの石を置くときも、その石のことだけを考えるのではなく、最終的な全体像を考えて置き方を決める、というのが難しくもあり、楽しくもあった。
今井さんの話も面白くて良い時間だった。

石積みが出来上がった翌朝、前日の雨に濡れた石に朝日が当たる光景に感動しました。できたばかりなのに、まるで江戸時代からそこにあるような存在感。芸術家ではなく、市井の人たちの手で作られた芸術、農民芸術、民藝に通ずるものをそこに感じました。
長い年月、積み上げてこられた今井さんの技術を惜しげもなく実に丁寧に分かりやすく教えていただきありがとうございました。

石積み、初めて経験しました。
自分で石を調達して人力で積み上げる。機械を使わず、お金もかけずに作れたことが貴重な経験でした。昔はそうやって生活していたのでしょうね。
石や土を集めるのが大変で、身体中が筋肉痛になりました。そういう負担を減らすべく、コンクリートを使うようになったのかなと感じました。
森の手入れ、畑作業で木を払ったり、水の流れをよくしたり、全ての自然は繋がっていると感じました。

石積みとても楽しかったです。
ひとつひとつの石は重いし、ちょっと間違えるとケガをするけれど、声を掛け合い、石の重力、顔、お尻を考え、教えてもらいながらの作業はとてもいい時間でした。
とにかくできた石積みがかっこいい。
そのために勾配を測り、紐を張り、集めた石を置いておく場所を考えるなどなど、最初の準備が大切だと仕上がりを見て思いました。
常に楽しいお話でみんな笑顔😄 いい時間をありがとうございました。

初めて石積みを体験して、人間の力でできることでやっていないこと、やらなくなってしまったことがたくさんあることをあらためて感じました。使わないでいるときっと衰えて退化してしまうことがたくさん。文化や技術と同じように消えてなくなってしまう…それを私たちの代で消してしまいたくないという本能的な欲求があることに気づきました。
昔のように力を出すには食生活も戻さないと…カロリーだけ摂るような食事ではなく、胆力の入るような食事を日々作り食べていったら、石積みのような肉体を使う動作だけでなく、仕事なども疲れ知らずとなって、1日の時間の使い方も変わってきそうです。これは今日から私の生活にも取り入れていきたいと思います。

石積みを自分の暮らしの中で施工したくて参加しました。忘れないうちに実践したいです。
今回はポイントを教えていただいて、理屈がわかり下手なりにもやってみたい気持ちが高まりながら帰宅しました。
伝統技術は本当にいまの時代こそ、見直されています。親方から技を受け継ぎ、私たちに伝えてくれた講師の今井さんには本当に感謝です。
出来上がった時の甲斐駒ヶ岳と風にゆれる大麦を背にした石積みは本当に美しく風景と調和していて感動しました。いのちが喜ぶ仕事ってこういうことを言うのでしょうか。尊い仕事です。
指導していただいた今井さん、企画していただいたアースマンシップの岡田ファミリー本当にありがとうございました。

自分たちの こうしたい ではなく、石が どうなりたいか を大切に。
相手がどうありたいか、どうあれば心地よいか。それは石だけに限らないと思います。
今の私たちは、人間が こうしたい を周りに押し付けすぎて、そのために無駄な時間と労力を使い、自分たちの首を絞めていると感じます。
自分たちがどこからきたのか、大きな環の中の一部としてどうしていけばいいのか、思い出さなければ。

ソロ時間に周りを歩いていたらコンクリートで固めた石積を見ました。それなりに綺麗なのですが、コンクリートで固められているので水捌けも悪く生き物も住めないです。コンクリートは便利ですが、それで固められると生態系を壊します。長い間人間は使ってきましたが、人間中心だと思いました。
それに比べて皆さんで作った石積は本当に美しい物です。人間が力を合わせて作ったものがこれ程素晴らしくなるのかと驚きました。
私は体調が悪く途中から休んでいたのですが、皆さんが作ったものを見て感激しました。
今井先生はとても愉快な方でした。笑いながらお話を聞いていると大切なお話が挟まれていてハッとすることがありました。石がなりたいように置いてあげるなど石だけでなく何事にも通じることです。なりたいようと言うのはそれを感じ取る感覚を研ぐ、鋭くすると言うより自然になるように普段の生き方が掛かってかると思いました。
高い技術をお持ちなのに偉ぶらず、皆の力を合わせられるように教えて下さって感謝です。

しばらく忙しくてつい後回しにしてしまっていた感想文を、今思い出しながら書いている。もう一ヶ月も経ってしまったけど、今も印象に残っているものがあるとしたら、それは私の深いところに残ったものであるはずだ。
私は普段造園の仕事をしていて、あるときある大先輩に、「庭の要素とはなんなんのでしょうか?」と尋ねたことがあった。その時にいただいた答えが「園路、石積み、植栽。」であった。
それから石積みの技術を求めて、技術書を読み、何人もの先生に教えていただいた。
今回の全体を学ぶ学校の講師、今井了恵さんの石積みの講習で、最も印象的だったのは、「状況判断」というご指導だった。
丈夫な石積みをつくる技術として、いくつかの大事な決まりごとがある。その決まり事は、前日に今井さんからの座学の時間に教えていただいていたけど、実際に現場でいざ石を積むとなったとき、その「決まり事」を押し通せない場面がしょっちゅう出てくる。そんな時に今井さんから出てくる言葉が、「状況判断」だった。大事な決まり事はあるけれど、目の前にある状況を読みとって、柔軟に対応していく。それでも本当に外しちゃいけないポイントは押さえながら。
厳しさと柔軟さのよい塩梅を、選びとりながら石を積んでいく今井さんの姿を見られたことが、そこにHow to はもちろんあるのだけど、その先で、実際に現場でどう判断し(この判断するということには、全体性への意識が、今回の場合には石積みがその構造全体で持つという意識が、必要であるように感じる。)作り上げていくのかを、目の前で見ることができたことは、本当に価値のあることだったと、今でも印象に残っている。

主催者よりー
講師の今井さんはとにかく面白くて、3日間お腹を抱えてたくさん笑わせていただきました。
でもおそらく影ではとても気を使ったり、気を揉んだりされた3日間だったのだろうと思います。
最後の会で今井さんがご自身の感想を述べてくださったのですが、その内容には大変心動かされました。
「自分の担当以外は講師も参加者になる」という全体を学ぶ学校の趣旨をちゃんと理解してくださり、ひとりの参加者として感じたこと、気づいたことをお話しくださったその感想は、全体を学ぶ学校への大きなプレゼントだと感じました。本当にありがとうございました。

参加者のみなさんとも実にいい時間を共有させていただきました。
テーマの学びだけでなく、3日間の全てから学ぼうとするその姿勢には勇気づけられました。
石積み第2弾のご希望がたくさん出ていますので、また再集合できる日を楽しみにしています。

これからも「全体を学ぶ」大切さを体感できる場をじっくり育てていきたいと思います。
本当に楽しい3日間でした! ありがとうございました。

次回「全体を学ぶ学校」は10月10日(土)〜12日(月/祝)です。
テーマは「『民藝』が伝える人の暮らし方 在り方」
ゲスト講師は日本民藝館学芸員の古屋真弓さんです。
どうぞお楽しみに。

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