海の民のことば

1月14日〜15日、横浜のパシフィコを会場に「脱原発世界会議」が開催されました。
15日の「海外のゲストと話そう(Global Discussion Room)」でのやりとりを、もうひとりの岡田直子さんからシェアしていただきましたので、ここにご紹介します。

この部屋で行われた「放射能について聞こう」というセッションの最後に、Bob Sam(アラスカ クリンギット族)がこう発言しました。
「私たちクリンギット族は海によって生かされている。
でも今、故郷のアラスカでは、病気になったり死んだアザラシやセイウチたちが大量に陸に打ち上げられている。
海はどれだけの犠牲を払えばいいのか。
誰がアザラシやセイウチ、クジラやイルカたちを代弁してくれるのか。
私は今日、ここに、海のいのちを代表してみなさんの前に立つ。
海が死ねば、私たちも死ぬ。」

このコメントを受けて、アメリカ人の科学者らしき人がこう言ったそうです。
「彼のような怒りは大切だが、科学的根拠が必要だ。」

この時点でセッション終了の時間が迫っていたそうですが、この発言に対して、パネリストとして参加していたタヒチの先住民(そして被爆者)の方が立ち上がり、こう言われました。
「今の言葉には反応せざるをえない。
知識を増やせば増やすほど 人間は愚かになっていくばかりではないか。
今の私たちを見ろ。
知識を増やした結果、今、どうなっているか?

私はタヒチの先住民として アラスカの彼の言うことがとてもよく分かる。
私は科学者でもなんでもない。
でも私たちはココナッツの木が病んでいれば分かる。
海が苦しんでいれば分かる。」

このタヒチの先住民の方の言葉でセッションは終わり、たくさんの方が涙を流しておられたそうです。

彼らの言葉を、私たちはもう一度声に出して読んでみたいと思います。
あなたの心に、彼らの言葉はどう響きますか?

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