びわの木

12年前のこと。いとこが、「大地を守る会」のびわを買って食べた後、その種を植えた鉢をくれました。

びわは芽を出し、部屋の中で観葉植物として、みんなにやすらぎをあたえて
くれました。

そしてどんどん大きくなったびわは、我が家の小さな庭に移されました。
それからというもの、その葉っぱがどれだけうちの家族の健康を保つために
役に立ってくれたか。我が家にとって、その木はなくてはならない、大切な
仲間となりました。

でも、その木は決して実をつけることがありませんでした。この春までは。

5月のある日、夫が興奮気味に庭で私を呼びました。何が起きたのかと庭に
出てみると、なんと、なんと、そのびわの木に、黄色い実がいくつもついて
いるではありませんか。
3カ所に数個づつ、合計20個のびわの実の誕生です。

12年かけて、びわは実をつけるまでに育ちました。
何とも言えない気持ちになりました。
今もその気持ちを言葉にすることはできません。

それは「いのち」そのものでした。


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