これから書くことは、数字や経済の仕組みに強いわけではない私の、ただ心に感じたことですので、まずはそこをご了解いただきたいと思います。
このところ、スペインの経済危機が深刻だというニュースが流れています。
そのスペインで私が見たのは、昔の日本を思い出させてくれるような、活気溢れる魚屋さん、お肉屋さん、八百屋さん。
新鮮な魚や肉や野菜や果物が、いのちの輝きをもって並び、人びとが買ってくれるのを待っている。その美しさはずっと見ていたくなるほどで、心がワクワクしてきます。
間違いなくそこで売られているものは、地元、あるいは地元からそう遠くないところでとれたものでしょう。その自然さ、健全さが、私の心をワクワクさせる大きな理由のひとつだろうなと思います。
その国の経済が、恐ろしいほど悪化しているらしいのです。
一方日本はというと、悪いなりにも経済の発展した国とされているのでしょうけれど、その食品を売っている店の不健全さが気になります。
ほとんどが大きなスーパーに集約されて、個人店はどんどん辞めていき、魚はすべてパックされ、切り身になっていない魚を探すのもひと苦労。遠い国からやってきたものも、全く違う季節にできるものもいっぱい並んでいて、いのちの輝きを見て取るのが難しいほど。
スペインの市場を歩きながら思いました。
「経済」っていったいなんなんだろう?
そもそも今話されている「経済」というものそれ自体が、何か間違っているんじゃないだろうかと思った夏の終わりの一日。