311が落とす影

Earthmanship恒例となった「冬ののびのびキャンプ」。小学生〜中学生を対象にした冬の雪遊びキャンプです。

群馬県の片品村に、Earthmanship のプログラムの趣旨を理解してくださる、とてもすてきな宿とスキー場があって、毎年ほんとうに楽しい時間を過ごさせてもらいます。

それが今年はできそうにありません。理由は放射能です。
ご存知のように、群馬県のあの一帯はホットスポットとして知られています。もちろんくまなく自分たちで調べたわけではないので、私たちが過ごす場所がほんとうのところどうなのかはわかりません。
でも、子どもたちを、この12月に連れて行って雪遊びをするという決断は、私たちにはできませんでした。

片品村の人びとは、311後いち早く被災者の受け入れを表明し、たくさんの方を受け入れてきました。私たちがいつもお世話になる宿の若女将も、先頭に立って受け入れに全力を注いだひとりです。
それなのに、私たちはこの冬そこに子どもたちを連れて行けない。
その善意の人たちの期待に応えることができない。
何とも情けない気持ちになります。

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昨日は「空と大地の学校」で、奥多摩へたき火とたき火料理を楽しみに行きました。そこでたくさんの子どもたちに「どうして今年の冬のびはなくなったの?なんでやらないの?」と聞かれました。「楽しみにしてたのに…」と。

それで放射能の話をしたあと、別の場所を探すのに時間がかかるから、3月に延期しようかと提案したら、即座に子どもたちがこう言いました。

「11日はやめてね!」

ハッとしました。
普段は何も言わないけれど、この子たちの心に、3月11日は怖い日としてはっきり焼き付いているんだ。

被災者は日本中にいると、あらためて事の重大さを思い知らされた、秋の一日でした。

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