柳澤たてもの塾2016

〜古民家再生プロジェクト〜


 

Earthmanshipが役割のひとつと考える日本文化の保全継承
その思いが長い年月をかけて いま 形になろうとしています

日本には その気候風土に合った「たてもの」があります
材料の選び方  建て方  そのための技術 を 知って
次の世代に伝えていきたい
すばらしい手仕事を 残していきたい

その思いから この柳澤の古民家を
学びの場として活用させていただこうと思いました
ぜひ多くの方と一緒に
日本の「住」と「技」を学び
世界に「日本」を発信できる仲間を増やしたいと思います。

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「柳澤たてもの塾2016」は全13回のワークショップ形式の学び場。建築のプロも 素人も、おとなも こどもも、みんなが、自分の手を動かし 身体を動かし 共に学び合う場となることを願って始まりました。
場所は山梨県北杜市武川町(ほくとし むかわちょう)。
建築のチームリーダーは日高 保さん(きらくなたてものや)。
 

◆ 日高 保さん紹介 ◆

京都大学工学部建築学科卒。
都市計画コンサルタント、設計事務所を経て、
平成16年きらくなたてものや一級建築士事務所設立。
「気持ちよい空間、楽しい暮らし」作りを追求し、建築設計活動に取り組む。
この理念のもと、職人や素材と住まい手の良好な関係を築き、また日本の伝統的な建築構法を用いて現代の空間の表現を試み、主に地元の神奈川県下で、住宅、店舗等の木造建築の設計を手がけている。
また、木造建築の設計活動を通じて得た知識を生かして、森や木を媒介とする都市農村交流活動や、家づくりの体験学習教室などの教育・文化活動にも力を注ぎ、むらづくり、まちづくりを視野に入れた活動も行っている。
 

スケジュール

No プログラム 日程 状況
 1   「柳澤たてもの塾」についての話
& すすはらい
4月16日(土) 終了
 2   コンポストトイレ と 小屋作り 5月4日(祝)
〜5日(祝)
終了
 3   泥コネ 5月14日(土) 終了
 4   群馬県藤岡市 だるま窯見学ツアー 6月11日(土) 終了
 5   ヨイトマケ 6月18日(土) 終了
 6   柿渋塗り 7月16日(土) 終了
 7   上棟 7月18日(祝) 終了
 8   竹小舞かき① 8月19日(金) 終了
 9   竹小舞かき② 9月17日(土) 終了
 10   土塗り 10月10日(祝) 終了
 11   板塗装 10月29日(土) 終了
 12   竣工祝い & エネルギーカフェ 12月17日(土) 終了

 

第1回 「柳澤たてもの塾」についての話 & すすはらい

4月16日(土)
まず最初に行ったのが、古民家の屋根裏の大掃除!
いろんな意味で忘れられない1日となりました。
【内容】
・「柳澤たてもの塾」についての話
・ すすはらい
・ 古民家の構造見学

イラスト・文・文字:はまぐり涼子 

 
第1回 すす払い のレポートはこちらをご覧ください。
 

第2回 コンポストトイレ と 小屋作り

5月4日(水/祝)〜5日(木/祝)
今回は2011年の地震で倒れ始めたと思われる外のトイレ小屋を新しく作る作業でした。
折角なら、在来工法で釘を使わずに木組みで小屋を立てよう!ということになり…
伝統工法で仕事をする大工さんがカッコよすぎました。
【内容】
・在来構法についてのおさらい
・小屋組み体験
・屋根と壁作り体験
・コンポストトイレの仕組みを知る
・コンポストトイレ設置

イラスト・文・文字:はまぐり涼子

 

第3回 泥コネ

5月14日(土)
土壁を作るためには、わらと粘土をよくまぜて、それを数ヶ月発酵させなければなりません。というわけで、今回は10月に行う「土塗り」のための材料の仕込みをしました。
建築にも「発酵」が役割を果たすとは。
知らないことってたくさんありますね。
裸足でわらと粘土をまぜる。まぜる。
その感触は裸足で田んぼに入った時と同じかなぁ…みんなで土とたわむれ、「知れば知るほど面白い」体験でした。
【内容】
・わら切り
・わらと粘土をまぜてこねる、こねる

 

 

    

 

 

第4回 だるま窯見学ツアー 群馬県藤岡市

6月11日(土)
群馬県藤岡市に、だるま窯で手作り瓦を焼く職人五十嵐さんを訪ねました。
大変残念ながら、このままいくと、この技は五十嵐さんの代で途絶えるかもしれないという貴重な瓦の制作現場訪問です。
仕事の邪魔をしているような見学者の私たちを本当に優しく迎えてくださった五十嵐さんの人柄と、その職人魂、職人技に、みんな心を奪われました。
そしてなんとかしてこの技が次の世代に残っていかないかと、参加したみんなが思ったのでした。
【内容】
・だるま窯見学
・富岡製糸場見学

 
  

第5回 ヨイトマケ

6月18日(土)
古民家の母屋の建て増し部分の作業が始まりました。
今回はたてものの基礎作り。
束石(つかいし)を据える地面の地固めをします。
「ヨイトマケ」は、その昔機械のなかった時代に、重い槌を滑車で上下させて地固めをする際のかけ声「ヨイっと巻け」が語源となっています。
【内容】
・基礎作り
 

第6回 柿渋塗り

7月16日(土)
増築部分の外壁となる板に柿渋を塗りました。
場所を貸してくださったのは、厚木市にある吉岡木材さん。
たくさんの材木に囲まれて、ひたすら柿渋を塗って、拭いて、塗って、拭いて。
お昼に食べに行った中華料理屋さんのボリュームと美味しさにも感動した1日でした。
【内容】
・柿渋塗り

 

 

 

第7回 上棟

7月18日(祝)
いよいよ棟上げです。
伝統工法で刻まれた材が組み上がるさまは圧巻です。
私たちもできることは手伝って、夕方までに完了。
その後は梅の木の下で上棟祝いの宴!
無事中締めのお祝いが終了しました。
【内容】
・木組み、棟上げ
・棟上げの儀式
・お祝いの宴
 

第8回 竹小舞かき①

8月19日(金)
2015年の秋から切って割ってあった竹を、土壁の芯に編む作業です。仕上がった後の夜景が美しすぎて、時間を忘れて見惚れます。
【内容】
・竹小舞

 

第9回 竹小舞かき②

9月17日(土)
前回に引き続き、土壁の芯になる竹を編みました。
【内容】
・竹小舞
 

 

  

第10回 土塗り

10月10日(祝)
5月にこねて寝かせておいた土に、さらに粘度の高い土を混ぜてこねて、竹小舞の上の塗りました。
左官やさんの仕事を見ていると、それはそれは動きがスムースで、無駄がない。つい自分も同じようにできる気になります。
ところが、ところが、とんでもない。
あ〜、なぜ!? なぜ!? の連続
でも、心と体は大喜びの1日でした。
【内容】
・土こね
・土塗り
 

第11回 板塗装

10月29日(土)
今年のたてもの塾で実際に作業を学べるのはこれが最後。
外壁になる板に柿渋を塗りました。
作業が早く終わったので、トイレ小屋の残っている作業もできました。
 
【内容】
・柿渋塗り
・トイレ小屋のやり直し部分(板張りと屋根)

 

 

 

 

第12回 竣工祝い & エネルギーカフェ

12月17日(土)
昨年の秋の竹伐りから始まった「柳澤たてもの塾2016」は、古民家を再生する過程に私たち素人が入らせてもらって、日本の伝統的な建てものと文化について学ぶ、とても楽しく貴重な時間でした。
職人の技に心震わせ、これを途絶えさせないために私たち消費者ができることを考えることもできました。
その最終回として、竣工祝いとEarthmanshipのサポーターのギャザリングを合わせて開催しました。
再生に関わってくださっている職人の方々もみなさん参加してくださいました。また何より嬉しかったのが、古民家の元の持ち主の娘さんが来てくださったこと。
昔の話を聞きながら、和やかな交流が続いた一日でした。
寒い中、そして忙しいこの時期に参加してくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
古民家再生プロジェクトはまだまだ続きます。
日本の文化伝統を実際に自分の目で見て体験する場として、これからもきっといい場となってくれることと思います。

 

  

 

 

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